こんにちは、今回はプロ野球の得点期待値について、中日ドラゴンズの2024年シーズンデータをもとに分析した内容をお届けします。
得点期待値とは?
「得点期待値」とは、塁上の走者やアウト数の状況を24パターンに分類し、その状況から同一イニング中(3アウトとなるまで)に獲得できるであろう平均的な得点のことです。言葉だけでは分かりにくいので実際に表で見てみます。
2024年 NPB全体の得点期待値
以下の表は2024年のNPB全体の得点期待値です。

例えば、
- ノーアウト満塁なら期待値は2.293点
- ツーアウトランナーなしなら0.068点
という具合です。昔からセイバーメトリクスの基本指標として使われており、攻撃戦略の判断材料にもなります。
2024年 中日ドラゴンズの得点期待値
以下の表は2024年の中日ドラゴンズの得点期待値です。
中日ドラゴンズは得点力に課題のあるチームでありNPB全体の得点期待値に比べて全体的に低い数値に見えます。

得点期待値を比較してみる
得点期待値の差分(中日-NPB全体)
実際に比較をしてみました。
以下の表は中日ドラゴンズの得点期待値からNPB全体の得点期待値を引いた値を表にしたものです。

簡単にまとめると
- 中日は走者なし、一塁、一二塁、満塁といったケースで得点期待値が平均を下回る
- 特に満塁時は-0.611〜-0.714と大きなマイナス
- 逆に三塁無死・二塁無死では平均を上回る場面もある
といった特徴が見られました。
得点期待値から見る中日ドラゴンズの課題
中日ドラゴンズは今年、満塁時の得点効率がかなり苦しんでおり、走者を貯めるまではできても、あと一本が出ない展開が多かったと推測できます。
また、満塁だけでなく一二塁・一三塁・二三塁の複数走者を置いた場面でも平均を下回る傾向が強く、今後の改善ポイントと言えそうです。
一方で、二塁や三塁に走者を置いた無死の場面では意外と得点期待値が高く、犠打などで確実に走者を進める采配が機能していた可能性も考えられます。
まとめ
得点期待値で見ると、数字以上に攻撃効率の課題が浮き彫りになりました。
これからの試合では、満塁時や複数走者の場面での得点力アップが、中日の浮上のカギになりそうです。