セイバーメトリクスについて調べると数多くの指標が出てきます。
似たような意味の指標がたくさんあり違いがわからなくなってしまうことも多いと思います。
そのため、頻出用語について自分の復讐の意味も込めて解説をしていきたいと思います。
OPS(On Plus Slugging)とは?
打者を評価するための指標の一つで出塁率と長打率を足した指標です。
簡単に求めることができる指標でありながら、得点との相関が非常に強いことからセイバーメトリクスでは重要視される指標です。
OPS = 出塁率 + 長打率


具体例でイメージしてみる
下の表では打率、出塁率、長打率が異なる3名の選手を例に比較してみたいと思います。
選手Aは打率が高いですが、長打率は低くOPSは3名の選手の中では最も低いです。
選手Bは出塁率が高く、長打率も低くはないためOPSは3名の選手の中で2番目です。
選手Cは出塁率は低いですが、長打率は高くOPSは3名の選手の中で最も高いです。
OPS | 打率 | 出塁率 | 長打率 | |
選手A | .650 | .350 | .400 | .250 |
選手B | .750 | .300 | .450 | .300 |
選手C | .850 | .250 | .250 | .600 |
OPSが注目されている理由
野球では打率が重要視されていることが多いです。しかし、得点を相手よりも多く取ることが目的の野球において打率は得点との相関が低いです。打率は打つ確率であり、ヒットでもホームランでも同じ打率であることから必ずしも優れている指標とは言えません。
実際に得点との相関関係について計算をするとOPSは打率に比べて相関関係が強いことも証明されています。
2021年〜2024年のセパ12球団の年間データを使用して得点数との相関を導きました。
データについては下記のサイトのデータを使用させていただきました。
参考:https://npb.jp/bis/2024/stats/tmb_c.html




チーム打率と得点数の相関は0.559である一方、OPSと得点数の相関は0.876と高いことがデータからもわかりました。
OPSの問題点
打者の特徴が一目でわからない
出塁率と長打率の和であるため、OPSの値を見ただけでは出塁能力が高いのか、ホームランを打つ能力が高いのか等の細かい選手の特徴はわからない指標です。
走塁能力を加味していない
出塁能力については加味していますが、盗塁など走塁面の能力は得点に絡む能力ではありますが加味していません。
出塁が過小評価されている
出塁率よりも長打率の方が平均的に高い数値となりますが、出塁率と長打率を1:1で合計しているため長打率が高い選手の方がOPSは高く出る傾向です。
まとめ
OPS = 出塁率 + 長打率
打率などに比べて得点数との相関が強くセイバーメトリクスの最重要指標
問題点もいくつかある
今回はセイバーメトリクスの最重要指標であるOPSについて解説しました。
OPS以外にもセイバーメトリクスでは様々な指標が存在しているので他の指標についても勉強していければと思います。